【eBay輸出】食品や化粧品の発送にはFDA申請が必須!申請方法を解説
目次
けいすけです。
あなたは、FDAという言葉をご存じでしょうか?
もし、eBayで食品や化粧品を販売したいのなら、絶対に知っておく必要があります。
今回はFDAの申請方法について徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
FDAとは?
FDAとは、Food and Drug Administrationの略で、食品医薬品局(アメリカの行政機関。日本における厚生労働省)のことです。
FDAの目的は公式サイトによると「医薬品および動物用医薬品、生物学的製剤、医療機器、国内の食糧供給、化粧品、そして電磁波を放出するような製品の安全性と有効性を保証することによって国民の健康を守ることが、FDAの責務である」と記載されています。
引用:FDA
つまりeBayに限らず、アメリカに日本の食品や化粧品などの特定の商品を販売する場合は申請が必要、ということになります。
ルールを守らず発送してしまうと罰則を受けることもあります。
- 警告書の送付
- 製品の差し押さえ
- 刑事告訴など
eBayにもFDAへ申請せず、該当する商品を販売している日本人セラーも多いです。
アカウントを削除されなかったならよかったじゃないか、と思うかもしれませんが、FDA申請が必要な商品の中には生命に関わるものもあります。何かトラブルが起こったときに知らなかった、では済まされません。
今後の活動にも大きな影響を与えてしまう可能性があります。予めFDA申請について詳しく知っておきましょう。
FDA申請が必要な商品
FDA申請の対象となる商品は、以下の通りです。
- 人の口に入る食品・飲料
- 人の肌に影響がある化粧品、医薬品など
- 医療機器(メディカルデバイス)
- 放射線放出装置
それぞれ詳しく解説していきます。
食品・飲料
FDAが「食品・飲料」として定めているものは、次の商品です。
- 果物、野菜
- 魚および海鮮食品
- 乳製品、卵
- 食品または食品成分として使用される未加工農産品
- 飼料(ペットフードを含む)
- 食品および飼料添加物
- 栄養補助食品および食品成分
- 乳児用調整乳 飲料(アルコール飲料およびボトル入り飲料水を含む)
- 生きた食用動物
- パン製品 スナック食品 砂糖菓子
- 缶詰食品
- タバコ製品(巻きタバコ、無煙たばこを含む)
詳細はこちらでも確認できます。
化粧品
化粧品と言っても「一般化粧品」と薬用成分が入った「OTC医薬品」の2種類に分けられます。
FDAにおける「一般化粧品」の定義とは「人の体に塗る、馴染ませる、スプレーするなどにより、体をきれいに美しくし魅力を高めたり、または外見を変えるためのもの」です。
例えば、ボディクリーム、シャンプー、歯磨き粉、マニキュア、香水などが該当します。
FDAへの「一般化粧品」の登録は義務ではありません。しかし、化粧品製造業者、梱包業者、配送業者は市場流通後に化粧品自主登録プログラム (Voluntary Cosmetic Registration Program:VCRP)への自主登録が推奨されています。
VCRPへ登録することで、調合や表示の問題で米国への輸入や販売に遅れなどの問題が生じる事態を未然に防ぐことができます。
OTC医薬品
FDAにおいて「OTC医薬品」の定義とは人または他の動物に対して、植物以外で診断・治療・緩和・処置または予防で使用することが目的で、本体の構造または機能に影響をおよぼした商品」となっています。
例えば、薬用シャンプー、育毛剤、日焼け止めクリームが挙げられます。むくみを取る、美白効果があるなど、その商品を使用することで何らかの体質改善ができるものは「OTC医薬品」に該当すると覚えておきましょう。
「OTC医薬品」に該当する商品をアメリカに販売したい場合は必ずFDA申請が必要になります。
詳細はこちらでも確認できます。
医薬品
医薬品には処方薬と市販薬があります。
医薬品の定義は「ヒトや動物の疾病の診断・治療・予防を行うために与える薬品である」ということ。
さらに、ワクチン、血液および血液製剤、遺伝子治療製品などの生物学的製剤も含まれます。
詳細はこちらでも確認できます。
医療機器
医療機器は病院などで取り扱うもの、と思うかもしれませんが、日本で医療機器と呼ばれていない製品でもFDAでは申請が必要なものがありますので注意が必要です。
eBayでよく売れている「美顔器」などもFDAの対象となります。
FDAの医療機器認証は、リスクの程度によってClassⅠからClassⅢの3クラスに分けられています。あなたの取り扱う製品がどのクラスか把握しておきましょう。
- ClassⅠ=サングラス、包帯、歯ブラシ、絆創膏、デンタルクロス
- ClassⅡ=妊娠診断キット、温度計、電動式椅子、輸液ポンプ
- ClassⅢ=人体損傷、健康面などのリスクが大きく、高度管理が必要なもの(例:人工心臓用パルプ)
詳細はこちらでも確認できます。
放射線放出装置
放射線放出装置とは、レーザーポインタ、レーザープリンタ、補聴器、超音波歯ブラシ、美顔器などのマッサージ機器、X線装置、マンモグラフィー手荷物検査器、電子レンジ、車載レーダー、MRI機器などが該当します。
詳細はこちらでも確認できます。
FDA「Radiation-Emitting Products」
ここまで紹介してきたの商品も、国によっては発送すらできない場合もあります。扱う商品がFDAにあたるか不安な場合は、JETROに問い合わせてみるのが確実です。
FDAの申請方法
次にFDA申請に必要な手続きを解説していきます。
あなたの取り扱う商品によって手続き方法が変わってくるので、取得する流れを把握しておきましょう。
食品・飲料の申請
アメリカ向けに食品や飲料を輸出、販売を行う場合、次の5つのことを行わなくてはいけません。
- .製造施設の登録
- 米国代理人の指定
- 商品ラベルの英語化
- 食品安全計画の策定
- 事前通知
それぞれ解説していきます。
製造施設の登録
アメリカで消費される食品や飲料などの製造・加工・包装や保管に携わる施設は、全てFDAに登録しなければなりません。
メーカーから卸して販売している事業者は、メーカーに依頼して施設を登録してもらうか、自らを代理人として施設を登録する必要があります。
サプリメントについても「食品」と定義されているので、その成分を製造・加工・梱包・保管する施設も登録が必要になります。
米国代理人の指定
FDAでは米国代理人の指定が義務付けられています。誰でもいいというわけではなく、以下の条件をクリアしている人に限ります。
- アメリカ在住の会社または個人
- 24時間FDAと連絡が取れること
- 登録施設に代わってFDAとコミュニケーションが取れること
この登録は毎年更新しなければいけませんので覚えておきましょう。
商品ラベルの英語化
表示ラベルは日本語と英語のラベルを貼らなくてはいけません。ラベルのサイズや表記の仕様にも細かい規定があり、食品、化粧品、医療機器についてその内容が異なります。化粧品、医療機器のラベルは後述します。
食品ラベルに表示しなければいけない項目は下記のとおりです。
- 食品表示必要条件
- 食品名
- 正味内容量表記
- 成分リスト
- 栄養成分表示
- 製造業者名称および住所
- 警告および取り扱い上の注意
- 原産国
- アレルギー物質表示
食品安全計画の策定
アメリカへ食品の輸出、販売を行う場合、以下の危害分析と予防管理措置を含む食品安全計画を策定しなければいけません。
- 食品ごとにその製造、梱包、または保管に関しての危害分析を行うこと。
- いかなる予防管理を必要とする危害も決定的に最小化、または予防するために危害管理を行うこと。
- 食品の安全システムが計画通りに機能しているかどうか監視モニタリング、是正措置、検証などを行うこと。
- 食品安全計画の運用状況を実証する記録を維持すること。
事前通知
アメリカへ輸出、販売し「人及び、そのほか動物用食品」については、FDAに事前通知することが必要です。
事前通知を行うには、まずFDAに登録しなければいけません。
まずは、以下より登録ページに進んでください。
「Create Account」から必要事項を入力してアカウントを取得しましょう。
「Create New Account」のページを一番下までスクロールさせ「Other FDA Systems」の項目の「Prior Notice System Interface」にチェックをし「continue」をクリックしましょう。
あとは、あなたの情報を入力するすればOKです。
Fedexのサイトにも登録方法が載っていたので参考にしてみてください。
PNC番号(事前申告番号)
FDAのアカウント登録後、以下の情報を入力してPNS番号を発行します。
- 発送人様情報 (会社名、住所)
- 受取人様情報 (会社名、住所)
- 食品製造会社情報 (会社名、住所)
- 食品の詳細 (内容物、内容量、梱包形態、食品の加工方法)
- 利用する配送サービスの国際航空貨物運送状番号
- アメリカへのフライト到着日時及び空港コード ※事前にカスタマーサービスにて確認する。
こちらもFedexにPNC番号の取得方法の詳細が載っていたので参考にしてみてください。
化粧品の申請
前述でも解説しましたが、一般化粧品に分類される商品については、FDA申請は任意となっています。しかしOTC医薬品に該当するものは、申請が必須となります。
化粧品のラベル表示
化粧品のラベルは、外箱と本体容器の両方に英語で印刷しなければいけません。
具体的には、以下の内容を正確に表示しましょう。
- 製品名
- 使用法
- 注意事項
- 製造者名と住所
- 容量
医薬品
FDA認証において、臨床試験データの信頼性や整合性が非常に重要となります。Good Clinical Practice(GCP)によって定められている国際的な基準に適合した臨床研究が必要です。
医療機器の申請
FDAからの許可取得・登録の際は、前述した製品のクラス分類のうち、輸出したい製品がどれにあたるのかを確認しましょう。クラスを確認した後、そのクラスに応じた申請の準備、登録作業を行います。
医療機器のラベル表示
食品や化粧品と違って、UDI規制に従う必要があります。UDI規制は、アメリカ国内で流通する医療機器に対して固有の識別子の設定が求められています。
こちらは人が識別できる文字表示と自動識別表示(バーコード等)をラベルなどに記載することを求められています。機器の安全かつ効果的な使用のため、FDAのデータベースに規定データ項目を登録しなければいけないということです。
放射線放出装置の申請
機器の輸出には、アクセッション番号と呼ばれる登録番号を取得が必要です。外国施設の場合はアメリカに住所を持つ代理人を任命しなければいけません。
その他発送できないもの
本記事ではFDA申請をしていないと、アメリカへの輸出ができない商品について触れましたが、それ以外にも発送できない商品が存在します。
それは、禁制品やVeRO(知的財産保護プログラム)に該当する商品や企業、DHLやFedexなどのクーリエで発送できないものです。
VeRo警告についてはこちらの記事で詳しく解説しています。eBay輸出をやる上で必ずと言っていいほど受ける警告なので、必ず確認しておいてください。
【eBay輸出】VeRO警告とは?対処法や今後の出品について
eBay出品禁止商品はこちら
- アダルト向けカテゴリ
- アルコール
- 動物と野生生物商品-生きている動物、剥製の標本および象牙などを含みます。
- 芸術品
- 芸術品-工芸品、墓に関連した商品およびアメリカ先住民の手芸品
- 触媒コンバーターとテストパイプ
- 携帯電話(ワイヤレス)のサービス契約
- 募金をつのるような出品
- 古着
- 契約を伴う出品
- 使用済みの化粧品
- 偽装通貨・切手
- クレジットカード
- 通貨の販売
- 薬品または薬のような物質と記述してあるもの
- 麻薬と麻薬道具
- 電子機器-ケーブルテレビのディスクランブラー、レーダースキャナ、および交通信号コントロール装置などを含む。
- 電子監視装置-盗聴装置や電話盗聴器など。
- 禁輸品と禁止国-キューバからの商品などを含みます。
- イベントチケット
- 銃器、武器、およびナイフ-唐辛子スプレー、レプリカ、およびスタンガンを含みます。(ミリタリー商品を参照してください)
- 食品やヘルスケア商品
- ギフトカード
- 政府文書、IDおよびライセンス
- 政府、輸送、および出荷関連の商品。飛行機のマニュアル、地下鉄従業員の制服、米国郵政公社(USPS)の郵便袋を含みます。
- 危険な商品-バッテリー、花火、および冷媒など含みます。
- 遺体と人体の一部
- 米国への商品の輸入-特定の国だけでの配布する目的のCDなどを含みます。
- 国際取引
- 不法行為を誘発する商品-メタンフェタミンの製造方法を説明した電子商材などを含みます。
- 錠前破りの装置
- 宝くじ
- 郵便先名簿と個人情報
- メーカー(販売店)のクーポン
- 医療機器-コンタクトレンズ、ペースメーカー、および手術器具などを含みます。
- ミリタリー商品
- マルチ商法、ピラミッド商法、マトリクスプログラム
- 攻撃的な商品-民族や人種差別的な商品とナチスの記念品などを含みます。
- 農薬(殺虫剤)
- 植物や種子
- 警察関連の商品
- 政治的な記念品(復元品)
- 郵便料金別納証印刷機
- 処方薬
- 禁止されたサービス
- 不動産
- リコールされた商品
- スロットマシン
- 切手
- 株とその他の有価証券
- 盗難物品とシリアル番号がない物品
- 監視装置
- 煙草
- 旅行
- 雑草
VeROに加入している企業もたくさんありますが、リストに記載のないメーカーやブランドが存在する為、全てのメーカーやブランドを把握することは不可能なため、VeROポリシー違反を完全に事前回避することは難しいのが現状です。
メーカーやブランドからの警告であれば出品を継続することが出来ないため、出品を取り下げましょう。警告が来ていない同一メーカーの商品を出品している場合も、追って警告がくることが予想されるため、出品の取り下げを行います。
また、クーリエによっても発送できないものがありますので、下記より確認してください。
もし、自分でFDA申請が難しいなと思ったら申請代行業者などに依頼しましょう。
該当商品を出品するならFDA申請は必須
今回はFDA申請について解説してきました。
化粧品や食品などは海外での需要も高いですが、ルールを守らず発送してしまうと罰則を受けることもあります。
この機会にあなたの出品している商品がFDAに該当しないか確認し、もし該当していたら1度出品を取り下げ、FDA申請をしてから出品を再開することを強くオススメします。
がんばっていきましょう!
けいすけ
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